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SPECIAL対談 北川祥一×高木優一
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空き容量、使用頻度等次第で長期間データは残っている

高木優一:
ラインの消去したデータ復元も可能なのですか。
北川祥一:
ラインの場合は、スマホなどの中に消した部分のデータが残っている場合も多く、使用状況等にも依りますが、復元は可能です。技術者の話によれば、ラインの復元事例は多いようです。
高木優一:
どのくらいの期間、データが残っているものなのですか。
北川祥一:
コンピュータ等対象となるデジタル機器の容量、使用頻度等によります。容量が多く、使用頻度が少ないパソコンなどであればかなり長い期間残っていることもあります。
HDD容量、空き容量、使用頻度、OS等の様々な状態に依りますが、OSが入れ替えられた場合、フォーマットされたHDDの場合においても、データの復元ができる事例もあるようです。
高木優一:
容量が少ない場合、たとえば1ギガしかないということになればすぐに消えてしまうということですね。
北川祥一:
そうですね。ただ、今どきそれほど容量の少ない機器はスマホ等でも少ないと思いますので、フォレンジックの可能性は広がっていると思います。
さきほどデジタルフォレンジックに精通した弁護士は多くないと思われると言いましたが、まずはどこに、どのようなデータが残っているかを弁護士自体が把握することが第一歩として重要ですね。
闇雲にパソコンに入っているデータを丸ごと解析・復元してくれと言われても技術者は困るでしょうし、費用面や時間も考慮した上で対応する必要があります。法的に「ここが重要だから、こういうデータがないかどうかを調べて欲しい」と、技術者に的確に指示ができなければなりません。
高木優一:
つまり、弁護士がある程度、技術的なことがわかっていないとだめだということですね。このデジタルフォレンジックの領域は今後、法的紛争の解決や弁護士業務には欠かせない科学的調査手法・技術であることを確信しました。
本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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