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SPECIAL対談 本間正俊×高木優一
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全国のどこにでもある、コンビニやスーパーのような事務所を目指すのではない

高木優一:
アメフトをやられていたことが、今の弁護士の仕事に役に立つということはありますか?
本間正俊:
アメフトはまだまだ日本ではメジャーなスポーツではありませんが、要はボールを投げて、取って、走るという球技としての基本の動きがある中で、私が担っていたポジションはボールに触わると反則なんです。そのくらいポジションごとに専門的に役割が分かれていまして、一人でもサボると全体の機能がすぐに低下してしまいます。みんなが有機的に動かないとだめな競技なんですね。
高木優一:
なるほど。
本間正俊:
今の仕事にあてはめると、私のような法律家がブロックを専門的に行い、他のメンバーは何をやらなければならないのかを見極める、関わり合う人たちの位置関係がすごく見えやすいということはあります。誰が何をすべきかが自然にインプットされるのです。全体の絵を描いて、自分がどこをやるのか、ここは申し訳ないけれど弁護士の領分ではないので相談者さん自身が頑張らないといけないところですとか、この部分は税務の専門家が必要ですねとか、高木さんのような不動産のプロを呼びましょうとか、そのような、依頼者のために自分は、または別のスタッフは何をすべきかという位置関係を的確に把握する感覚はアメフトによって磨かれたと思います。
高木優一:
弁護士に対して「社会的地位が上。敷居が高い」という世間的なイメージはまだまだ根強くあるとは思いますが、私が個人的にいかがなものかと思うのは、テレビのバラエティ番組などに出て、弁護士という立場であるがゆえにいじられている。あれは観ていて気分が良いものではありませんね。わざと弁護士の地位や価値を貶めているような気がします。
本間正俊:
便利に使ってもらいたいと思う反面、コンビニやスーパーで物を買うような消費者的な感覚で来られると、やはり違和感があります。画一的なサービスの提供を廉価で求められ、こんなこともできないの、というような反応をされるとちょっと辛いです。
高木優一:
私のビジネスでもそうなのですが、相談なんてタダでやってよ、みたいな風潮になってしまうのも嫌な感じがしますね。そこまでハードルを低くしたくないという気持ちはあります。

photo by naokichi hasebe

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