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SPECIAL対談 本間正俊×高木優一
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できること、できないことを、はっきりと提示する

高木優一:
本間さんの目指す弁護士の方向性というのは、全国規模で広告を打って、スタッフをずらりと揃えて、何でも取り扱いますよ、というような大型規模の事務所がやるようなこととは違いますよね。
本間正俊:
そうですね。広告など打たなくても、あそこにこの案件が得意な弁護士がいるよ、と人づてに紹介してもらえるようになりたいです。全国のどこでも均一的なサービスを実施するのではなく、そこにしかないサービスの提供と言いますか、ファミレスよりはミシュランに載る方を目指したいという感じですかね。もちろん自分でもファミレスはよく利用しますし、ファミレス的な弁護士に対するニーズもあると思います。ただ、裾野を広げすぎて流れ作業になったり、現場から離れたりしてしまうのは、自分の本意ではないんです。相談者の人生がかかっている案件を扱うわけですから、できるだけ自分自身が内側に入ってじっくり話を聞くことによって、初めて相手が本当に何を欲しているのかがわかるはずです。あまり商売上手とはいえないのでしょうけれども、そのようなやり方の方が自分に合っているし、きっと楽しいだろうなと感じています。
高木優一:
それは我々の業界も同様です。規模を大きくするのはいい。でも大きくしたら、今度はなかなか小さくするのは難しいんです。簡単に人を切ることはできませんしね。
本間正俊:
依頼の案件に対し、「お金になる・ならない」で判断するのが嫌だという気概は強くあります。「お金になる・ならない」の視点で依頼者を観てしまったら、依頼者の内側に入るなんてできるはずがありません。それよりは、この依頼者のために何かをしてあげたいという気持ちで接し、「ここまではできるけれど、ここから先はできません」との主旨をはっきり提示し、それでもお願いしたいという人に対し、親身になって仕事をする。もし仮に最終的には満足できる形で終わらなかったとしても、ありがとうございましたと言われる。そんな仕事をしたいです。
高木優一:
まさに地域密着ですね。
本間正俊:
仕事をしてお金以上のものを得ようというのですから、ある意味では贅沢な願いなのかもしれません。
高木優一:
なるほど、そういう見方もできますね。本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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