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SPECIAL対談 金井義家×高木優一
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手術をしなければならないのに、執刀医がほとんどいない

高木優一:
相続や資産承継に関するハウスメーカーや銀行のセミナーは、本質的にはセールス目的であって、問題解決ではないのだということを認識して臨むということが大切ということですね。
金井義家:
その通りです。でも一方で、そのような仕組みに気づいている人が、どこに行けば本当に解決につながる有益な情報が得られるのかがわからないという問題があります。価値のある情報ならば買ってもいいと考えている人に、それを提供する場が少ない。買いたくてもどこに行けば買えるのかがわからずに苛立ちを感じている人はいると思います。それは供給するこちら側の問題として改善していく必要がありますね。
高木優一:
医療で言えば、手術をしてもらいたいのに、執刀する医師がほとんどいないというような状態ですね。
金井義家:
正にそうです。外科手術以外手のほどこしようがない状態で患者が来て、開腹してみると腫瘍があちこちにある。まずは喫緊の対応として一番大きな腫瘍を取り、リハビリをして体力を回復してから小さな腫瘍を取っていく。それを何回か繰り返すと、へたをすれば治るまで10年かかってしまう。もっと早く来てくれれば1回の手術で終わったかもしれないのに、というようなケースは多く見られます。残念ながら、場合によってはもう手の施しようがなく、申し訳ないけれどもう無理、手遅れですね、と言わざるを得ないこともあります。
高木優一:
なるほど。先生のような執刀医が少ないと、どうしても諦めるしかない人が数多く出てきますね。
金井義家:
末期症状の人にコンサルを行うとすれば、相続放棄の準備、つまり逃げるための準備などが考えられます。そのサポートはやりますよ、と言うしかありません。弁護士を紹介して自己破産を勧めた例もあります。10数年前には数億円、場合によっては数十億円の資産オーナーであったにも関わらずです。無くなる時はあっという間です。
高木優一:
私の方の事例でも、アパートを相続しただけで税金の滞納が700万円強、絶対に払えませんというような例が現実にあります。
金井義家:
私もセミナーでは悲惨な事例を挙げて脅かすようなことを言うこともありますが、それは現実の話なんですよということをわかってもらいたいからなんです。ひどい目に遭って欲しくないからなんですよ。
高木優一:
わかりました。先生のセミナーは一見辛口ですが、大変に的を射た内容ですので、できるだけ多くの相続・資産承継の問題に直面している方に聴いていただきたいですね。
本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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