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SPECIAL対談 奥村武博×高木優一
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プロスポーツの衰退を憂う

高木優一:
プロのアスリートを目指している子供の親御さんにデュアルキャリアのあり方を伝えていくことは重要ですね。
奥村武博:
そう考えます。プロを目指していくのはいいけれど、果たしてウチの子がその厳しい競争の世界でずっとやっていけるのか、途中で挫折し、つぶしがきかない人間として世間に放り出されるのではないか、という懸念はあると思います。現実に私の親も当初はプロになることに反対していました。やはり、引退後にどうするのかと考えると不安だったのでしょうね。
高木優一:
親御さんの悩みとしてはよくわかりますよ。
奥村武博:
そうすると、プロになろうとする選手が減っていくのではないかとの懸念が産まれてきます。才能があっても将来性を考えるとプロになるのはやめた方がいい、ということになれば、プロスポーツそのものの魅力が下がり、スポーツ業界全体の発展が成されず、どんどん衰退していく方向に流れていくのではないかとの心配があります。スポーツ界の人気が下がれば、選手へのサラリーも減っていくという負の連鎖を起こす可能性もあるだろうと思います。アスリートのキャリア形成というのは、スポーツ界の未来の活性・衰退に関わってくると私は捉えています。
高木優一:
今おっしゃられた奥村さんの考え方とか活動に共鳴されている方は周囲に多くいらっしゃるのですか。
奥村武博:
問題意識を強く持たれている方や団体はスポーツ界の内外問わず多いので、積極的に連携を取るようにしていますし、例えば、NPBやプロ野球選手会、プロサッカー選手会といった機関ともコミュニケーションを取り活動していけたらいいなと思っています。
高木優一:
奥村さんは98年にドラフトで阪神タイガースに入団されましたが、奥村さんの現役時代の選手たちと今のプロ野球の選手たちを比べると、いろいろな面で大きな違いがあるでしょうね。
奥村武博:
全然違うと思いますよ。今の選手はあまり飲みに行ったりもしないようですしね。
高木優一:
昔は先輩に誘われれば有無もなくついていくという感じでしたが、今はあまり抵抗もなく断ってくるらしいですね。デュアルキャリアの考え方、素晴らしいと実感しましたので、ぜひ、普及させていただきたいと思います。
本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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