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SPECIAL対談 櫻井政人×高木優一
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地方創生の動きは活性化するか

高木優一:
地方創生が叫ばれてきています。櫻井さんの実感としてはいかがですか。
櫻井政人:
長井市に関しては大いに実感がありますね。たとえば、農業の付加価値を上げてクオリティを高めていくという試みなどは、今盛んに行われています。一つ事例を挙げますと、こだわりのトマト農家を営んでいる女性がいまして、農薬はほとんど使わず、高品質のトマトを作っているのですが、そのトマトを使った1本400円のジュースが飛ぶように売れているんです。そのトマトジュースとバイツェンという小麦を使ったビールでレッドアイを造ったらこれが素晴らしくおいしい。そうなると、このトマトが800円にも1000にもなるビジネスとして発展していく可能性が出てきます。これからは、こだわりの逸品というキーワードはかなり有効だと思いますね。
高木優一:
これまでの東京一極集中の傾向は変わっていきますかね。
櫻井政人:
変わっていくと思いますよ。でも、課題ももちろんあります。長井市であれば大学がないという問題があります。近隣に進学校もあるのですが、大体東京の大学に行ってしまいます。そのまま就職先も東京となり帰ってこないというパターンが常態化しています。ただ、定年まで同じ会社で働くという意識は次第になくなりつつありますので、IターンとかUターンを考えている人は増えてきていますね。市役所もIターン枠、Uターン枠を通常の採用とは別にして受け入れていますね。
高木優一:
なるほど。少しずつそのような地方を見直す動きが出てきているのですね。都心ではなく、地方で起業したい、農業をやってみたい、という人も多いと聞きます。
櫻井政人:
そうですね。その機運は高まっていると思います。ただ、まだ旧態依然の、よそ者を排除するような空気が完全に払拭されているわけではありません。習慣も言葉も違うのでお互いにストレスを感じてしまうのでしょうが、今後は地方側が受け入れ態勢をしっかり作っていけるかが一番のポイントになると思います。
高木優一:
わかりました。長井市の試みが地方創生の一つのビジネスモデルとなることは間違いないと思います。本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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