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SPECIAL対談 関口隆司×高木優一
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ますます難しくなる私立校の経営

高木優一:
高木 女子生徒を募集する上でのインセンティブは何でしょうか。
関口隆司:
関口 一には立地、二に制服とトイレです。校舎は多少古めかしくてもそのうちに慣れます。でも、制服が垢抜けなかったりトイレが汚かったりするのは慣れないんです。

高木優一:
高木 女子の場合、やはり制服が高校選びの重要なポイントなんですね。男子はブレザーですよね。
関口隆司:
関口 はい。平成2年の創立50周年のときに詰襟の学生服からブレザーに変わりました。制服というのは女子のデザインや形が決まれば、必然的に男子のデザインや形も決まってきます。結婚式のお色直しと同じですね。
高木優一:
これからの日本は女性進出の機会を創り出すことが重要だというお話を聞きますと、女子が世に出てどう社会で活躍するかを教育するのが、学校の重要な課題になりますね。
関口隆司:
そうですね。今の親御さんたちを見ても、専業主婦の母親の割合は極めて低いです。ほとんどいないと言っていいかもしれません。
高木優一:
このあたりは高級住宅街だと思いますが、それでもですか。
関口隆司:
もともと目黒区は人口が少ないですし、この辺りから通ってくる生徒は割と少ないんですよ。多いのは世田谷、大田区ですね。それに目黒、品川が続きます。
高木優一:
それだけ子供の数が減っていますと、言い方に語弊がありますが、“取り合い”の様相を呈してきますね。
関口隆司:
現在東京都内には私立高校が240校ありまして、地域ごとに12の支部に分かれています。この品川、大田、目黒は第7支部になります。ここに20校ほどの私立高校がありますが、偏差値にそれほどの差がないせいか、本当に奪い合いとなっています。
高木優一:
今後、ますます学校の経営が難しくなってきますね。
関口隆司:
現実的に経営が危うくなって企業に買収されるという例もありますから。ワタミに買収された文京区の郁文館がその一例ですね。
高木優一:
学校法人の経営権を、一般企業の経営者が握ったという事ですね。
関口隆司:
そうです。また、第7支部に東京学園高校という男子校があったのですが、ここは一大決心をしまして河合塾に身売りをしました。校舎も下目黒から調布の方へ移転し、教育方針もドルトンスクールというアメリカの特別な教育方法採用をして、まったく新しい学校に生まれ変わりました。

photo by naokichi hasebe

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