電話相談
> >
SPECIAL対談 小松拓也×高木優一
1  2  3

中国への恩返し

高木優一:
どのような番組だったんですか。
小松拓也:
日本でいうスター誕生のようなオーディション番組のイメージですかね。8万人ぐらいが応募する大きなオーディションだったのですが、番組を観ている視聴者の投票を積み重ねていくという仕掛けの番組でした。携帯からのショートメッセージが一票となるわけです。視聴者の支持がないと投票が伸びないわけですが、どういうわけか中国人が応援してくれて、トップに近いところまで行きました。4か月間毎週生放送で3時間ほど行われる番組なんですが、番組に出ている間にどんどん人気者になっていきまして、番組を卒業するころにはイベントやCMのオファーがかなり来ていました。
高木優一:
そのオーディション番組の他のライバル達は中国人なんですか。
小松拓也:
ほとんど中国人で、何人か外国人が混じっていましたけれど、日本人は私だけでした。私は上海地区の大会から全国大会へと上がっていったのですが、外国人で全国大会まで行けたのは、韓国人とアメリカ人が一ずつ、あとは私だけでした。
高木優一:
すごく影響力のある番組なんですね。
小松拓也:
ところが12年に勃発した尖閣問題が発端となって、日本人は公の場に登場するのが難しい状況になってしまったのです。中国は日本とはルールや規制も異なるので、そういう事態になってしまうのは仕方がないことなんですが、そこで一切メディアに出られない状況がしばらく続き、仕方なく日本に帰ってきたのです。
高木優一:
そのような紆余曲折があり今に至るわけですね。
小松拓也:
はい。そのような不本意な出来事に見舞われましたが、中国が応援してくれなかったら芸能界で生きることができなかったわけですから、恨みなどはなく、逆に大変恩を感じています。そこで日中の友好の橋渡しのような事ができないかと思ったのです。反中の行動やメディアの記事などを見ている限り、やはりリアルな中国とは相当な違いがあると感じています。感覚レベルのすれ違いを感じていますね。
高木優一:
今、具体的にはどのような活動をされているのですか。
小松拓也:
基本的にはこれまで行ってきた個人としての活動がメインになるのですが、中国にはとてつもなく大きな芸能市場があるのがわかっていまして、日本だったら10万円ぐらいの仕事が100万円になったり1000万円になったりするわけです。そのような事情を分かっている日本人も出てきていまして、時に結構有名な方から「小松君、中国でドラマのオファー取り付けられない?」などと声がかかってきます。

photo by naokichi hasebe

1  2  3