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SPECIAL対談 赤尾猛×高木優一
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1人の看護師が月100件回るのが目標

高木優一:
だいたい1日、何件ぐらいの利用者宅を回るのですか。
赤尾猛:
利用者さんの状況によってずいぶんと違ってきます。本当に戦場といった感じの苦労する現場と比較的楽な現場があるわけですが、平均すれば1日5件ぐらいは回りたいところですね。一人月100件を目標とすれば採算ベースに乗るんです。でも、実情はコンスタントにクリアできているステーションばかりではありません。
高木優一:
それほど楽な商売ではないということですね。経営が行き詰まり廃業に追い込まれるステーションはどのような傾向にありますか。
赤尾猛:
だいたい経営者にお会いすればわかりますね。また、訪問看護未経験の管理者が多いのも問題です。訪看管理者は経営のセンスを持った独立志向のない方がいいですね。
高木優一:
独立してしまう危険性があるということですか。
赤尾猛:
そうなんです。よく美容院などで、腕のいいチーフ級の人が、何人かスタッフを引き連れて独立してしまうというケースがありますよね。それと同じです。訪看管理者はみんなの気持ちをグリップできる、人の話を親身になって聞けるセンスのある方がいいですね。
高木優一:
お聞きするのが遅れてしまいましたが、赤尾さんのご経歴を教えてください。
赤尾猛:
学校を卒業してから外資系のソフト開発会社に入り、そこでSEと営業の中間ぐらいの仕事を行っていましたが、つまらなく感じていました。そんな時、アミューズメント施設のオーナーに誘われその会社に5年間在籍していました。そのあと父親から自分が経営するプラスチック会社に来ないかと言われ、そこで経営とはなんたるかを覚えました。しかし、リーマンショックの煽りで会社が潰れてしまい、訪問看護の世界に入ったのはその後です。
高木優一:
それが何年前ぐらいのことですか。
赤尾猛:
5年前ですね。まだその時分は訪問看護という仕事そのものが広く認知されていませんで、今ほど活性してはいませんでしたね。

photo by naokichi hasebe

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