電話相談
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SPECIAL対談 伊藤益美×高木優一
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介護の世界に入ったきっかけ

高木優一:
ケアマネージャーとしては、受け入れる予定の患者さんが現在どのような状況にあるのかは知りたいですよね。そういう時は医師と電話で相談することになるのですか。
伊藤益美:
電話だとなかなか先生は出てくださいません。なので、私は極力出向くようにしています。うかがって直接お願いすると、先生や看護師さんも合間を見て会っていただけますね。
高木優一:
医師に患者さんの状況をお聞きするのは、まだ患者さんが病院にいらっしゃる時ですよね。
伊藤益美:
そうです。何度も病院に出向いて患者さんの状況を確認し、先生にヒアリングします。「先生、どうですか。そろそろ退院できそうですか」「あと、一週間ぐらいはこちらでリハをして、そのあとの方がいいかもしれないね」というような会話をします。
高木優一:
何度も訪問するのですか。それは大変ですね。
伊藤益美:
病院が近ければいいんですけれどね。ほとんど私、自転車で回るんですよ。
高木優一:
それはすごい。
伊藤益美:
でも、そのように積極的に先生に会いに行くかどうか、それは個々のケアマネさんの考え方しだいです。私はまだケアマネージャーを始めて1年ちょっとなので、自分の顔を売りたいこともあり、できる限り訪問するようにしています。次第にこの人なら会って話をしてもいいな、と思ってくださる先生や看護師さんも増えてきました。でも、そのしわ寄せで事務の時間などがなかなか取れません。
高木優一:
そもそも、伊藤さんが介護の世界の仕事をしようと思ったきっかけはどのようなことだったのですか。
伊藤益美:
以前は幼稚園の教諭をやっていたのです。ちょうどその時期、私の祖母が認知症に罹りまして、徘徊したり警察にお世話になったりと母がとても苦労をしている姿を目の当たりにしていました。私も施設によく足を運ぶようになったのですが、そこで職員さんたちの働いている姿を見て、私もこういう仕事に就きたいなと思ったのです。
30歳になったときに、もう一度自分の仕事を見直してみようと専門学校に入り直し介護福祉士の資格を取り、介護施設に勤め始めました。介護の現場で5年働いていましたのですが、出産を機に一回現場から離れ、ケアマネの資格を取ろうと考えたのです。

photo by naokichi hasebe

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