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SPECIAL対談 山下智巳×高木優一
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この業界を変えてやる!

高木優一:
たとえば、浮気調査を依頼された場合、山下さんは調査までで、その後は弁護士にバトンタッチするという段取りになりますか。
山下智巳:
調査をして浮気の事実が発覚したら、依頼者はその時点でほぼ弁護士の紹介を依頼してきます。そこで離婚に強い弁護士に引き合わせます。私も一緒に弁護士事務所へ行くことが多いですね。自分が調査している案件ですので、弁護士に細かい報告ができますから。
高木優一:
山下さんが、あえてこの職業に就いたきっかけを少しお話いただけますか。
山下智巳:
売れないバンドマンだったんですよ。やることがなくて日中ずっと家にいたんです。そこでテレビで松田優作の「探偵物語」の再放送を観て、探偵ってカッコいいなって(笑)。
そこで、探偵養成のスクールへ行って探偵とは何ぞやを学び、尾行実習などの基本は習いました。でも、そのスクールでは独立開業支援や探偵事務所への就職斡旋などを謳っていましたが、実際そこから独立や就職ができた人は一人もいなかったですね。
高木優一:
探偵の世界って、外からはなかなか見えない閉塞的なイメージがありますよね。
山下智巳:
そうですね。この世界に入って初めて、一度訪ねてきた客は逃さないっていうぼったくりが一部で横行しているということにも気づきました。やはり、そんなことでは社会的な市民権はなかなか得られない。今、私は意識的に士業の方たちなどと一緒に仕事をするようにしていますが、それにはこの商売の社会的地位を上げたいという想いもあります。それでも、平成19年の6月に、探偵業を営む者は国家公安委員会に届出をしなければならないという探偵業法が施行されてからは、いわゆる悪徳業者の類はずいぶん減りました。
高木優一:
今、山下さんが仕事をやる上で意識していることは何ですか。
山下智巳:
以前は、孤軍奮闘状態で、「トップになってやる。この業界の体質を変えてやる!」と拳を振り上げていたのですが、今は25から30歳ぐらいの若い世代がそういった気概を持っていますね。「山下を追い抜け!」って意気込んでいますので、「かかってこい!」って感じですね。
高木優一:
それはとても心強い。本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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