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不動産の共有物分割請求訴訟について

(東京都豊島区在住I様)
不動産の共有物分割請求訴訟についてですが、一般的に訴えを起こしてから判決まで、どれくらいの期間を要するのでしょうか?

あと控訴することが許されるのでしょうか?

分割すべき土地の上に兄名義の住宅が建っており、被告である兄に代償する経済的余裕がないという場合、土地と建物を同時に売却させ、現金化し土地持ち分の対価を私が得ることが可能でしょうか?
浅野健太郎弁護士の回答

(弁護士法人ベリーベスト法律事務所代表)

1 期間

共有物分割請求訴訟は,訴えを提起してから判決までは,6カ月くらいの期間で終了することがほとんどです。

その後の競売まで含めると8カ月から1年くらいかかる可能性があります。

共有物分割請求訴訟は,いわゆる形式的形成訴訟という訴訟類型に属します。

形式的形成訴訟とは,形成の基準となる具体的な要件が法定されていないため,具体的な解決方法を裁判所の裁量に委ねる訴訟類型です。

そのため,共有権の有無といった実体的な法律関係に争われることはほとんどなく,分割の方法等,具体的な解決方法等について,裁判所の裁量に委ねられることから,裁判の期日自体は2~3回の期日で終了しますし,請求の相手方との間で和解することがほとんどです。

なお,共有物分割請求訴訟は,共有物分割の「協議が調わないとき」(民法第258条第1項)に提起することができます。

もっとも,この要件は緩やかに解釈されており,実際に協議をした上で,不調に終わった場合に限られるものではなく,共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をすることができない場合も含むとされています。

上記はあくまで目安にすぎず,どれくらいの時間を要するかは,ケースごとによって異なります。

そのため,共有者の人数が多い場合や共有者の内部で折り合いがつかない場合には,さらにお時間がかかる場合もあります。

2 控訴の可否

共有物分割訴訟であったとしても,控訴することはできます。

もっとも,共有物分割訴訟は,いわゆる固有必要的共同訴訟という類型に属し,共有者全員が当事者として裁判に関与する必要があります。

そのため,不服がある場合には,自己以外の共有者全員を被控訴人とするか,控訴人として関与させる必要があります。

また,共有物分割請求訴訟は,前述のとおり,いわゆる形式的形成訴訟の類型に属し,具体的な分割方法については裁判所の裁量に委ねられています。

そのため,控訴した場合に,不利益変更禁止の原則(控訴審では,第一審よりも不利な判断なされない原則,民事訴訟法第304条)が適用されないと考えられます。

つまり,第一審の判断に不服があるとして控訴した場合,第一審よりも不利な判断を出されるリスクがあります。

3 ケースに対する答え

今回のケースの場合,土地と建物を同時に売却させ,現金化することを強制することはできません。

なぜなら,土地は,共有となっていますが,建物については兄の単独所有名義となっているからです。

もっとも,共有物分割請求をし,協議の段階では,いかなる分割方法をすることも可能なので,協議の中で,土地と建物を同時に売却し,現金化して,土地持分の対価を取得するという分割方法を採用することは可能です。

また,共有物分割請求訴訟においても,現物分割が原則となりますが,裁判所に対して,自己の望む分割方法を伝え,訴訟における和解の中で上記の定めをすることも可能です。
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