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借地として40年住んでいますが、地主が土地の返還を求めてきました。

(神奈川県川崎市中原区在住I様)
今年8月に借地の更新する年なんですが、昨年末地主から土地を返して欲しいと言われました。

とは言っても唐突すぎてそんな地主からの意見は飲めません。

借地は約60坪、自宅と自宅の横に通路があり母が住んでいる家が建っています。

最悪母の住む家を返上し、今の自宅に母を迎え入れこのまま住みたいという考えが妥協点かなとも考えています。

こういう事って普通にある事なのでしょうか?

地主の返還請求を断り続ける事は出来ないのでしょうか?
相続借地
添田 樹一弁護士の回答

(川崎つばさ法律事務所代表)

結論からいいますと、地主さんからの明け渡しの要求については、拒絶することが可能です。

賃貸借契約の期間満了が近づいてきた際、お母様が契約の更新を請求した場合、または期間が満了した後も土地の使用を継続している場合には契約が更新されたものとみなされるのが原則です(借地借家法5条1項本文、2項)。

ただし、地主が更新を拒絶する旨を伝えてきた場合(遅滞なく異議を述べた場合)には例外的に契約の更新が認められない場合があります(同項但し書き)。今回のケースは、地主さんが明け渡しを要求してきているのですから、遅滞なく異議を述べた場合にあたるでしょう。

このような場合、地主が更新を拒絶することに「正当の事由」があると認められる場合には明け渡しの要求に応じなければなりません(同法6条)。

ですので、今回のケースでは、この正当の事由があるか否かが大事になってきます。では、どのような場合に正当な事由ありと認められるのでしょうか?

「正当の事由」があるかどうかは、主として地主の借地利用の必要性と借主の借地の利用の必要性とを比較して判断されることになっています。

本件では、あなたの自宅にお母様を迎え入れることができるということですので、借主側の本件土地利用の必要性はやや小さいと判断されるかもしれません。

一方で、借地上に建っている建物は築10年ということですから、一般的な建物の耐用年数からすれば、まだまだ十分に住むことができるでしょう。

これを壊さなければならないのは、借主であるお母様にとっては負担が大きいといえます。

今回地主さんがどのような理由で明け渡しを請求しているのかわかりませんが、地主さん側に相当強い土地利用の必要性がない限り、明け渡しの請求は認められないと考えてよいと思います。

2 立退料について

また、「正当の事由」の判断には、地主側の事情として立退料の申し出があったかどうか、申し出た立退料の金額のどのくらいかについても補完的要素として考慮されます。

相当の立退料の申し出をした場合、借主側の必要性を上回る必要性が地主側にない場合であっても、地主側の借地を利用する必要性の不足を補って「正当の事由」が認められる場合があります。

この場合には、本件土地の明け渡しには応じなければならないことになりますが、借主であるあなたのお母様は立退料を受領することができることになります。

例えば、建物の解体費用や引っ越し費用等の実費を大幅に上回る立退料の申し出が地主からあった場合、今回のケースでも地主の立ち退き請求が認められるかもしれませんね。

その場合には、立退料の支払いと引き換えに、借地を明け渡すことになります。
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