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不動産の物納は出来ないと友人から聞いたのですが本当ですか?

(神奈川県川崎市多摩区在住A様)
先日友人と飲んでいた時に話が出たのですが「お前、今時土地を物納して税務署に税金を支払う代わり買ってもらうなんて出来ないよ。」と笑われました。

それって本当なんでしょうか?

うちの祖母ちゃんは相続税を払うのに畑を国に納めたと昔言ってた記憶があるのですが、物納は今では出来ないのでしょうか?
相続税
野口良子税理士の回答

(GALAP税理士法人)

「物納」の制度そのものが無くなったということはありませんのでご心配なく。

ただし、相続税は金銭で納付することが原則です。

納期限までに金銭納付ができず、さらに延納(納期限までに納付ができない場合に利子税を支払って待ってもらう手法)によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められているのです。

つまり、「金銭納付」と「物納」との選択があって、「お金はあるけど、あそこに使っていない土地があるから、それを物納に廻してしまおう」などと簡単に考えているとそううまくはいきません。

現に、物納の処理状況を見てみますと、物納申請を出したうち、約67%しか許可が下りていないようです。

厳しいですね。

現実には、納付する金銭がなく、さらに物納の対象となっているのが売りやすい物件に限られている、と考えたほうが無難かもしれません。

売りやすい物件なら売って金銭納付したらいいじゃないか?ということにもなりますよね。

そのとおりなのですが、あえて物納にすることによって譲渡所得税を回避できるというメリットもあるのです。

売却して金銭納付した場合と物納した場合の比較表を記しますので参考にしてください。


・不動産の価値

(売却時)時価
(物納)相続税評価額(概ね時価の70%~80%)

・所得税

(売却時)譲渡利益が出た場合は所得税がかかる。
(物納)無し

・納付までの期間

(売却時)相続税の申告納付期限
(物納)相続税の申告期限までに申請し、審査期間は申請後3ヶ月
以内(財産の状況により最長9ヶ月の延長あり)

・利子税(4.4%程度)・延滞税(14.6%)

(売却時)納付期限までに納められれば無し
(物納)納税者の責任による書類の訂正等の期間や却下が行われた場合は利子税。自ら取り下げを行った場合は延滞税がかかる。
不動産・相続お悩み相談室

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