電話相談
> >
SPECIAL対談 鈴木隆道×高木優一

本日のゲストは東京都議会議員の鈴木隆道さんです。来たる2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催に向けて大変な尽力をされました。お話をいろいろお聞きし、まだまだ我々は、オリンピックやパラリンピックに対し理解が少ないと実感しました。

1  2  3

カルチュラル・オリンピアードとは

高木優一:
オリンピック招致に関して、どのようなご苦労をされたのか、そのあたりを中心にお聞きしたいと考えています。東京での開催は2回目ということになりますが、すでに3回開催している都市もありますよね。
鈴木隆道:
夏季オリンピックを3回開催したのはロンドンですね。アテネ、パリ、ロサンゼルス、東京が2回です。世界中の都市、特にヨーロッパを回って分かるのは、オリンピックを招致すること、オリンピックを開催できる都市国家になるのが夢になっていることです。平和の祭典であるオリンピックのベースとなるオリンピズムというのは、ヨーロッパにおいては汚してはならない最高の道徳であり、最高の理念です。何で招致が決定してから開催まで6年間という期間を設けているかと言いますと、その間に競技場を作ろうという単純な話ではなく、その間にカルチュラル・オリンピアードと言って、文化の交流、人の交流、経済の交流を通して平和に貢献するということなのです。それを実行し、4年に1度の若人の祭典の中で素晴らしいパフォーマンスを見て世界中の人たちが感動すること、その6年間で感動を生み出す輪を世界に広がるようにしていくことです。6年間で何を実現できたかで、その国の、その都市の真価が問われるということになります。
高木優一:
なるほど。残念ながら日本では競技場の話ばかりで盛り上がりますね。
鈴木隆道:
ですから、東京は今何をしなくてはいけないのかと言えば、東京でオリンピック、パラリンピックを開催できることに感謝して、心を繋いでより素晴らしいオリンピックにするために世界の人たちに協力を求め、東京は何ができるのかをこの6年間で考えていくことだと思います。これこそがオリンピズムなのですが、残念ながらその基本的な1番大事なことが教育の中に入っていないのが問題です。

photo by naokichi hasebe

1  2  3