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SPECIAL対談 柳田清二×高木優一
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有名な食材は乏しい。しかし、農産物は自慢できる。

高木優一:
お話をお聞きしますと、都心と直結する交通インフラが整っている地方都市と整っていない地方都市とでは、これからの発展性に大きく差が出てしまう印象がありますね。
柳田清二:
あまり交通アクセスのよくない地方都市でも何らかの発展の可能性を導き出そうというのが国の方針ですけれどね。でも、必ずしも東京ではなくても、人口の集中している地方都市と上手くアクセスし連携を図っている例もあります。たとえば鳥取市はリスク分散に成功している地方都市なのですが、やはり新直轄方式を利用して広島とのアクセスを整えました。実は我々のリスク分散という手法は鳥取市を参考にさせてもらったのです。
高木優一:
そうなんですか。鳥取とは意外な感じがします。アクセスのよさと言えば、佐久市まで東京から1時間ちょっとで行けるというのは大きなポイントですよね。
柳田清二:
東京とそれほど近いのに、実は1979年の観測以来、佐久市は1回も熱帯夜がないのです。朝の寝起きが快適なんです。東京の人から見ればうらやましい話ですよね。
高木優一:
それは素晴らしい。新幹線では軽井沢の次の駅が佐久平になりますか。
柳田清二:
そうです。軽井沢は確かにお洒落でハイソサエティな雰囲気を感じさせる街ですが、「湿気」と「渋滞」という大きな問題があります。
高木優一:
湿気ですか、なるほど。旧軽井沢一帯に広がる苔を見ると納得します。渋滞も人気のエリアだからハイシーズンでは当然そうなりますね。
柳田清二:
ところが軽井沢から新幹線でわずか8分しか離れていない佐久平は乾燥地域なんです。だから住みやすい。佐久市の欠点というほどでもないのですが、魅力の乏しい点を挙げれば、有名な食の物産がないということでしょうか。誇れる食材が見当たらないんですよね。しかし、米や野菜のクオリティは高いんですよ。
高木優一:
若者で都心を離れて農業を目指そうという人も出てきているようですね。
柳田清二:
多くなってきましたね。
高木優一:
さまざまな角度からお話を伺いましたが、佐久市の人口が増えている理由がよくわかりました。本日はどうもありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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