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SPECIAL対談 日詰宣仁×高木優一

世に転職事業は数多くありますが、俗に言う“夜の仕事”に従事している女性たちを昼の仕事に転職させる。今回は、そのような独自の立ち位置で女性たちの転職を支援する株式会社ゼロベータの日詰宣仁さんをゲストにお迎えし、お話を伺いました。

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ユニクロに就職し考えたこと

高木優一:
日詰さんは、夜の仕事に従事していた女性を昼の仕事に転職させるという事業をされているわけですが、私も仕事柄、夜のいわゆる水商売に従事している女性の暮らしぶりを見聞きすることはよくあります。不思議なことに、収入は昼の仕事の女性よりも多いのにもかかわらず家賃を滞納したりするんですね。40万、50万稼いでいながら、6万円の家賃を滞納する。付き合いが派手になったり、衣装代がかかったりと、出ていくお金も多いのでしょうが、やはり生活全体が荒み、その結果のような気もします。寂しさを紛らわすためにペットを飼う人も多いですよね。犬が吠える、夜中に洗濯機を回す、などのクレームもよくあるという話も聞きます。
日詰宣仁:
生活上の問題は常に彼女たちには付きまといますね。
高木優一:
いざ、昼の仕事に転職しようと思っても、履歴書を書く段になると前歴を書けないというジレンマもありますよね。傍から見ていても、幸せな結婚している人は非常に少ないように思います。
日詰宣仁:
女性たちに聞きますと、10人に1人もいないって言いますね。
高木優一:
そもそも、日詰さんが今の事業を始めるに至った経緯はどのようなことだったのでしょうか。
日詰宣仁:
大学を卒業して最初はユニクロに就職したんです。そこで服を売る仕事をしていたのですが、全国各地の店長とか、本部で在庫の管理とか、いろいろな業務を経験しました。一度、海外にも行かせてもらったこともあります。
店長の仕事は人材育成と採用がメインなんです。ユニクロで働いているスタッフは、女性が多いのですが、結構な割合でシングルマザーの方もいまして、朝連絡が入り、「子供が熱を出したので休ませてください」というような、突然の欠勤が日常茶飯事でした。非常に綿密にシフトを組んでいますので、1人が抜けると現場は大変なことになります。でも、子供が悪いわけでも、ママが悪いわけでもないですよね。
そのような状況を目の当たりにして、「ママが働きにくい、女性が活躍しにくい国だな」とずっと感じていまして、自分の中でだんだんと女性の働き方改革のようなものに興味が喚起されてきたんです。

photo by naokichi hasebe

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