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SPECIAL対談 日詰宣仁×高木優一
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失敗から学ぶ

高木優一:
前職からリクルーティングに関する業務はメインでやられていたのですね。
日詰宣仁:
そうなんです。採用の仕事って大手の媒体に求人募集広告を出して、仕事をしたい人から応募をもらってというシステムになっているわけですが、最終的には10人面接して2人ぐらいしか採用しません。残りの8人の面接時間は、はっきり言えば無駄だと思っています。第一印象でだいたい「この人を採用しよう」と決めてしまいますから。ただ、一方できちんと面接をしないとクレームになることもあります。あの店長、5分しか面接してくれなかったと(笑)。ですから、この人は採用しないなと思っても、ちゃんと30分面接しないといけないんです。
高木優一:
へえ。そうなんですね。
日詰宣仁:
そんな採用システムに常々違和感がありまして、自分なりにこういうサイトがあればいいなと思ったのが、まず店で働きたいと思った人に履歴書・プロフィールを登録してもらう、それをこちらが閲覧して、面接したい人にアプローチをかけるというやり方です。
高木優一:
逆求人サイトですね。
日詰宣仁:
そのやり方は、今では当たり前ではあるのですが、当時は主流ではなかったですね。そういうサイトを立ち上げられたらいいなとずっと思っていました。で、ユニクロを辞めたあとにインターネットのベンチャー企業でサイトの立ち上げの勉強をさせてもらい、自分でトライしようと思い立ち、女性の採用領域に絞ったサイトを立ち上げるべく今の会社を始めたという経緯なんです。
高木優一:
なるほど。
日詰宣仁:
一緒に会社を立ち上げた相方の親戚がスナックを経営していて、夜の店って基本的に慢性的な人手不足だということがわかりました。媒体の広告費用が膨らんでいくのに、いい女性が雇えない。ならば、先に女性にプロフィールや写真を登録してもらい、お店の方から目星をつけて声をかけるというサイトがあったらどうですかと経営者に聞いたところ、面白いと言ってくれたんです。で、サイトを作り2年半やってみたのですが、そんなに甘いものではなかったですね。夜の商売の人たちってアナログな人たちばかりで、いまだにガラケーの世界なんです。私たちのサイトはガラケーでは見ることができないんで、「言ってるのはわかるけど、ログイン云々って面倒くさい。うちはスカウトマン雇っているからいいよ」という感じで思うように浸透せず、結局、頓挫してしまいました。
高木優一:
そうか。ITリテラシーが低いんですね。
日詰宣仁:
それで、夜の世界で働いている女性たちにヒアリングしたところ、セカンドキャリアというか、この世界を卒業したいと思っていても、転職サイトの見方がわからないし、履歴書を書き方もわからないし、って悩んでいる人が多いことが判ったんです。一方、求人側でも夜の世界のキャリアOKですという会社も結構あることがわかって、これをマッチングしたらお互いにとってメリットあるな、社会的意義もあるなって、と考え、今のサイトを立ち上げたのです。立ち上げて、2年が経ちました。

photo by naokichi hasebe

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