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SPECIAL対談「四代にわたり、地域に愛される「身近な法律家」を目指す。」

菱田司法書士事務所 菱田陽介
菱田司法書士事務所 菱田徳太郎
当相談室代表 高木優一
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古くからの土地だからこそ起こりうる課題に対応する

高木優一:初代、二代目の仕事を見てこられて、司法書士の仕事の内容は時代と共に変化してきましたか?
菱田徳太郎:昔は、裁判所や法務局などの役所に提出する書類を作成するという、代書のような仕事が主体でしたが、時代が変わるにつれ、地域の人たちの生活に直接関わってくる相続の問題や、遺言、借地・借家に関する案件が次第に増えてきました。
そういう意味で、今の司法書士の方が昔と比べればはるかにやりがいのある職業となりましたし、社会から受けるイメージや評価も上がってきたと思います。
高木優一:地域に密着しているとおっしゃいましたが、この大森の地は新興住宅地ではありませんから、古くから住み続けている住民の方々が大勢いらっしゃいます。地域の人たちと深く長くお付き合いができるのは、そのような地の理もあるのでしょうね。
菱田徳太郎:それはありますね。お寺や神社も多く古くから栄えた土地ではありますが、一方で新しくここに居を構える若い層も少なくありません。新旧の住民がちょうどよくブレンドされていて暮らしやすい街だと思います。
高木優一:この大森を含む大田区はいまだに「借地」の文化が色濃く残っています。
お寺や神社が多いという話が出ましたが、それらが所有している土地や、個人が所有している土地を人に貸しているケースは多いですね。ところが、地代はほとんどタダ同然となっていますし、固定資産税を払えばほとんど残らないというのが現実です。
また、自分の土地を返してもらうには貸し手にお金を払わなくてはならない。非常に貸す側が不利になるような法律になっているのですが、そのような「借地」の問題などを相談する司法書士の先生は、やはり昔からこの土地のこと、地域住民のことを詳しく知っている人でないと難しいでしょうね。
菱田陽介:地域住民のことを熟知しているという点は、確かに強みになります。
あのエリアはどのような人が住んでいて〇〇という苗字が多いとか、あそこのおじいちゃんはどこに土地を持っているかとか。ずっとこの地で事務所を構えているとそのような情報の蓄積は自然とできてきます。
私は今、29歳ですが、私よりずっと年上の、父と同じぐらいの世代の方が、1回目の相談から真剣に私に話をしてくれるというのは、やはり父や祖父、曾祖父が築きあげてきた看板があるからこそで、その点は非常に有難く思っています。
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