電話相談
> >
SPECIAL対談「施設に入居するお年寄りが、安心して財産管理を託せる弁護士として信頼をいただいています。」添田樹一弁護士
1  2  3

天涯孤独の老人は今後ますます増えていく

高木優一:
入居者が先生のような後見人を立てるという場合、実際にはどういうケースが多いのですか?たとえば、お父さんが亡くなられてお母さんだけで暮らしてしたのだけど、認知症が進んで施設に入らざるをえなくなった。それでは、今まで住んでいた空き家になった家の管理はどうするのか、そういうご相談は多いでしょうね。
添田樹一:
多いですね。現実的に空き家問題は実に多く発生しています。場合によっては、住んでいる家を売って施設に入るという選択肢もありますし、ケースバイケースで様々な相談に対応することになります。しかし、家を売って施設に入ったのにもかかわらず、そこが一時的な仮の住まいで、いずれまた帰る(帰りたい)と思っている方も多いんですよ。
高木優一:
洗濯物干しっぱなしで来ちゃったけれど大丈夫だろうかとか(笑)。入居者の後見人としての仕事を具体的に挙げていただけますか。
添田樹一:
財産の全般的な管理ということになりますので、たとえば、月々の施設や病院への支払いとか、外にアパートやマンションを所有している場合は経営上の収支の管理とか、税理士へ確定申告を依頼するとかですね。必要があれば不動産の売却も裁判所の許可を得て行います。
高木優一:
認知症で施設に入られた方は、身内がいなければ財産の管理などとてもできないですからね。
添田樹一:
認知症や独りで生活することが困難になって施設に入りたいと考えたのはいいけれど、現金を持っていない。土地などの不動産を処分するにも自分ではとてもできない。そのような場合は私どもが後見人としてその方に代わって業務をこなすということになります。
高木優一:
裁判所から選任された成年後見人ということですね。
添田樹一:
はい。成年後見人の場合、「このようにして1年間財産を管理してきました」と、後見人として裁判所へ報告する義務があるのです。
高木優一:
これから高齢者の人口が急激的に増えていきます。家族がいる方は良いのですが、天涯孤独で施設に入られる方も多くいらっしゃいます。自分の代わりに財産を管理してくださる弁護士の存在はますます重要になってきますね。本日はどうもありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

1  2  3