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SPECIAL対談 三原じゅん子×高木優一
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意識を変えなければ、何も変わらない

高木優一:
また、女性の社会進出の話に戻りますが、日本には働きたいのに何らかの事情で働けない女性が400万人いると言われています。そして、第一子を産むと勤めを辞めてしまう女性が6割に達するという数字も出ています。
三原じゅん子:
そうですね。M字カーブって私たちは呼んでいますけれど、その6割をせめて5割にしようという動きはありますが、残念ながら日本はまだまだそのレベルなんです。
高木優一:
やはりそれは日本の昔からの、「嫁は結婚して子供ができたら家に入るものだ」という文化が根強く残っているせいなのでしょうか。
三原じゅん子:
それもありますけれど、職場での理解が得られないという問題や、お子さんを預ける場所がなかなか確保できないという問題も大きいですね。一昔前でしたら、一緒に住んでいるおばあちゃんに預けられたけれど、だんだんと家族との関係性が変わってきてしまっていてそれも難しくなってきています。
高木優一:
核家族の問題ですね。
三原じゅん子:
そうです。つまり、女性がなかなか社会へ進出できない、思うように働けないという問題の本質は一つではなく、いろいろな要素が絡み合っているということなのです。まだまだ、日本では男性が育児をするという考え方が定着していません。現実的に、川崎市の職員の調査でも、男性で育児休暇を取る方は非常に少数で、わずか3%ほどです。おのずと、その分が女性の負担となってきます。仕事もしてくれ、家庭の事もやってくれ、育児もたのむよってことになったら、女性はパンクしてしまいます。さらに、育児が終わりいざ職場へ復帰という段になったら、今度は自分と夫の両親の介護が待っている。昭和の女性たちはそれを必死になって乗り越えてきました。けれども、それを当たり前と思ってはいけません。女性がどれだけ大変な思いをしているかを社会はもっと理解し、感謝の目を向けなければいけないと思います。制度だけ整えてもそこをしっかり見据えなければ、本質的な解決はできないと私は考えます。

photo by naokichi hasebe

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