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SPECIAL対談 菅野久美子×高木優一
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写真を見て驚いた孤独死現場の惨状

高木優一:
実際私もこのお仕事をさせて頂いている以上、そういう現場には何度か遭遇していますが、取材されたお部屋の写真を拝見して目を覆いました。
菅野久美子:
ホントにそうですね。まさに現代ニッポンの病巣そのものですよ。日本の高齢者の“4人に1人は、友人が1人もいない”という内閣府のデータもありますし、私が独自に概算したところ、なんと日本全国で1000万人が孤立状態、つまり孤独死予備軍である事が分かったんです。それを裏付けるかのように、平成28年度の高齢社会白書によると、「孤独死(孤立死)」を身近な問題だと感じる人は単身世帯の高齢者でゆうに4割を超えているんですよ。
高木優一:
これは立派な社会問題ですね。
菅野久美子:
しかし、国の対策はといえば、何ともお粗末なもので、厚生労働省はこの孤独死を巡って、明確な定義はもとより、現段階においては、何ら実態把握をしていないというのが現状なんです。つまり、これから私や高木さんが高齢者になった時に待ち受けるのは、隣近所で続々と腐乱死体や白骨死体が発見される光景が日常化し、誰もがそのことに特段の関心を持たなくなってしまう〝孤独死大国〟になってしまうという事。
高木優一:
うわー、頭痛くなってきた。それにしてもこのニッチなジャンルを徹底的に取材して問題提起のメスを入れて下さった菅野さんには拍手を送りたい。本当に今日は考えさせられる一日でした。これからの日本を憂うと同時に勉強になりましたよ。有難うございました。

photo by えがお写真館

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