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SPECIAL対談 竹内公一×高木優一
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AI技術の進歩が医療を変える

高木優一:
先生のお話を聞きますと、今後医師の仕事はさらに大変になってくるのではないですか。
竹内公一:
そうかもしれません。しかし、AIの技術がそれを補助してくれると思います。また、医師のタスクシフトが進展していく、たとえば今は医師にしかできない業務の一部が看護師にもできるようになれば、医師の負担も軽減されていきます。患者さんにとっては、外来で何時間も待たされるというリスクが少なくなりますね。
高木優一:
外来の待ち時間が減少されることは、患者さんにとっては非常にありがたい話ですね。
竹内公一:
ただ、情報の量が増えてきますので、それをどう管理するのかという別の問題が出てきます。
ベッドのメーカーのテレビのCMなどでご覧になったことがあると思いますが、よく眠れているかどうかが図やグラフなどで解る、それに点数を付けるといった、あの種の寝ているだけで心拍や呼吸の状態を把握することができるような技術が進展していくと思います。要は、ずっと聴診器を当てている状態と同じですから。ただ、それを医師が24時間管理しているわけにはいきませんので、AIを使って管理するというイメージです。
高木優一:
今先生がおっしゃったような技術は、各医療機器メーカーなども研究開発を行っているんでしょうね。
竹内公一:
そうですなのが、日本ではなかなか積極的に進めることができないのが現実です。そのような技術は、欧州やアメリカ、カナダ、シンガポールなどが一歩進んでいますね。
高木優一:
日本はまだ立ち遅れているという感じですか。
竹内公一:
日本で革新的な技術開発を進めるに当たっては、診療報酬制度や保険制度が壁となって、あまり挑戦的なことをするのは望まれていません。定評があることは保険を活用することができるんですが、思い切った技術革新はメーカーサイドも二の足を踏まざるをえないのが正直なところだと思います。
これから長寿の時代を迎えるに当たっては、我々医療側は、これまで長生きをするための知恵や技術は発達させてきましたが、長生きなったあと、それをサポートをする技術がなかなか開発されていないという実感があります。我々も現在のところどうしたら良いのかが正直わかりません。暗中模索状態ですね。
高木優一:
本日は看取りのお話から、これからの医療のあり方まで、幅広いお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。

photo by naokichi hasebe

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