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SPECIAL対談 吉田義人×高木優一
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ジュニア世代にラグビーが持つ大切なものを伝えていきたい

高木優一:
お話を伺う限り、日本国民でラグビーのことをきちんと理解している人は少ないでしょうね。ラグビーとアメリカンフットボールの違いすらわかっていないでしょう。
吉田義人:
そうですね。英国で生まれたスポーツと米国で生まれたスポーツとでは精神性がまったく違うのですがそこを理解している人は少ないですね。そもそも、日本人の多くはスポーツに対する認識が欠けています。スポーツと体育が一緒くたになってしまっている印象です。本来スポーツって身体を鍛えることが主体ではありませんから。2018年4月から、日本体育協会が日本スポーツ協会と名称を変えました。これは非常に象徴的な出来事だと思います。
高木優一:
ラグビー自体はすごくポテンシャルのあるスポーツだと思いますが、日本ではプロチームがないということで、人気に今ひとつ盛り上がりが欠けているというのは何とも残念な話ですね。
吉田義人:
もちろん、ポテンシャルはすごくあるスポーツですよ。ラグビー・ワールドカップは世界3大ビッグスポーツイベントに位置付けられているわけですから。なぜ、日本でいまひとつ人気が高まらないかといえば、今おっしゃられたようにプロリーグがない、つまり、実業団と大学を主体として発展してきた経緯が大きく、サッカーのJリーグに象徴されるような、地域に根付いて活動していくようなシステムを構築してこなかったというのが大きいと思います。
高木優一:
これから、吉田さんに期待される役割は大きいですね。
吉田義人:
今現在の自分の役割は、とにかくジュニア世代への指導と教育的価値の推進、つまり、ラグビーの真の魅力を子供たちに伝えていくことだと考えています。そして、最も重要なのは、その親御さんにも教育の柱となりえるスポーツだということを訴えていきたいですね。子どもたちは将来、大人社会の中で、さまざまな分野で育ってきた人間と同じ目的を持って活動をすることもあります。ラグビーこそ、様々なスポーツの中で小さいうちからそのようなことを学ぶことができる柱となりえるスポーツだと思っています。
高木優一:
なるほど。今、吉田さん自らが指導に当たり、子供たちに向けたいろいろな教育プログラムを精力的に展開されています。これからのご活躍に期待します。
本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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