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SPECIAL対談 金井義家×高木優一

今回のゲストは、公認会計士・税理士の金井義家さん。日本人は資産を上手に守って相続・資産承継していこうにも良い情報が得られず、損をしているケースがあまりにも多いとのご指摘。情報こそが価値ある財産であり、それをお金で売買されるように日本の文化と日本人の意識を変えていくことがとても大切であるとおっしゃいます。

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セールス目的のセミナーには登壇しません

高木優一:
先生のセミナーは非常に集客力がありますが、結構きついことを言いますよね。今、相続のコンサルティングが盛んに行われ、関連のセミナーも数多く開催されていますが、先生の取られているスタンスと大分異なる印象があります。
金井義家:
大多数は、コンサルをする側が何らかのサービスや商品を持っていて、それをセールスすることが前提となっています。たとえば銀行であれば、お金を借りて何かを始めましょうというアドバイスから始まりますし、ハウスメーカーであればアパート建築などが前提の話となります。M&A仲介・企業買収系の会社であれば、事業継承は会社を売るのがベストだという話をしてきます。偏った情報の提供ですね。要は、自分たちの商売のアピールをしているだけで、相談者の問題解決に焦点を当てているわけではないのです。
高木優一:
先生ご自身は、銀行やハウスメーカーなどが主催するセミナーでは登壇されないのですか?
金井義家:
呼ばれないんですよ(笑)。セールスが前提となっているセミナーでの講師の依頼は一件もありません。私が商売の後押しをするような内容を決して話さないことを彼らも知っていますから。後押しをしてくれる税理士・会計士はいくらでもいますので、そちらに頼めばいいということです。
高木優一:
なるほど。でも、先生は実際には年間を通して何十回ものセミナーに登壇されていますし、銀行マンや税理士・会計士が読む専門誌にも毎月原稿を書かれています。やはり、先生に講演を依頼したい、意見を聞かせてもらいたい、と考える人も多いのですよね。
たとえ辛口であろうと(笑)。
金井義家:
たとえば、保険会社の例で言いますと、高いレベルに達している営業マンは保険を積極的に売ろうとはしないですよね。保険の話などしない。まずは信頼関係の構築、つまり顧客とのリレーションシップに腐心します。なぜなら、問題解決の相談役として高い信頼を獲得していれば、クライアントが保険に入りたいと思った時に、真っ先に相談が来ることを知っているからです。不動産についても全く同じですよね。そのような、サービスや商品を売ろうと躍起にならなくとも顧客がついている人ほど私の話を聞きたいと思ってくれています。ですから、そう言ったトップレベルの営業マンが個別に主宰するセミナーにはよく呼ばれます。逆にセールスの事ばかり考えている人や会社は、さきほど述べましたように声をかけてきません。自然と私の周囲には良質のクライアントを持ち、そのクライアントと非常に深い関係構築がされているトップレベルの営業マンだけが残っていくようになります。かえって純化されていいかなと思いますよ。
高木優一:
先生は年間70~80回ぐらいのセミナーや講義をされていますし、個別にクライアントへのコンサルティングもやられ、さらには、士業の方が読む専門誌へ定期的に原稿も書かれています。ひっぱりだこですね。
金井義家:
出版社からの原稿の依頼も、このところ多くなってきています。銀行や証券、保険関連の方が読む専門誌には丸5年執筆していますが、毎月掲載ですので苦労します。その他に税理士向けの業界誌などからも定期的に原稿の依頼が入ってきますね。

photo by naokichi hasebe

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