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SPECIAL対談 友松篤信×高木優一
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今や日本はアジア諸国の憧れの国ではない

高木優一:
日本の産業メーカーも国内だけでは商売が成り立たなくなってきている現在、世界の4分の1を占めるイスラム圏の人たちを、文化が違うから受け入れられないなどと言っている場合ではないような気がします。イスラム教徒の多いアジアの諸国、たとえばマレーシアなどを見てみますと、少し前までは途上国と言われてきましたが、先進国の仲間入りをするのも遠い将来ではないと感じます。
友松篤信:
マレーシアなどは後進国と先進国の中間地点、中進国と言われていますね。
高木優一:
なるほど中進国ですか。それらの国は、まだまだ経済的には「のびしろ」がありますよね。日本ではもう物が売れる時代は終わっているような気がしますが、マレーシアなどはこれからますます.消費が伸び経済発展をしていくでしょうね。
友松篤信:
そう思います。
高木優一:
これからは、イスラム教徒の学生が日本に抵抗なくどんどん来てもらえるようにならなくてはいけないですね。アジアの途上国の学生たちが留学しようとする際、今や日本は選択肢にならないんじゃないですか。ラストフロンティアと言われるミャンマーでも、まあ、あそこは仏教国ですが、憧れの国はもはや日本ではないんですね。日本の企業の看板などほとんど見かけません。
友松篤信:
イスラム教徒の子供たちが憧れる国は、基本的にはかつての宗主国でしょうね。宗主国に留学したいという夢を持っている子供たちは多いと思います。インドネシアの宗主国はオランダですが、インドネシアの場合、オランダに対する憧れはあまりないかもしれません。旧宗主国のオランダよりも、アングロサクソン系の国、アメリカやイギリス、オーストラリアなどへの憧れの方が強いような気がします。イギリスへ行きたかったけれど、無理なので日本を選ぶということはあるでしょうね。
高木優一:
イスラム教徒は豚肉は食べられないと言いますが、日本では牛も鶏もだめなのですか。
友松篤信:
日本で屠畜したそれらの肉は食べられません。異教徒が屠畜した肉は不浄なものとされていますから。しかし、ムスリムが屠畜したものなら大丈夫です。ムスリムが屠畜したハラール肉を輸入して食べるということになります。
高木優一:
それは知りませんでした。まだまだハラールに関してはわからないことが山積みですね。先生の普及活動にぜひ期待したいところです。本日はありがとうございました。

photo by naokichi hasebe

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