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SPECIAL対談 島村大×高木優一
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オリンピック開催に向け喫煙の問題も浮上

高木優一:
健康の話と共に大きな課題となっていることは何がありますか。
島村大:
そうですね、ますます増えていく外国の観光客やオリンピックを見据えて民泊の問題はマスコミなどでも取りあげられましたが、同じように侃々諤々で議論が伯仲しているのが「受動喫煙防止法」の問題ですね。
高木優一:
煙草の問題ですか。これもオリンピックの開催とは無縁ではないですね。
島村大:
大型の公共施設やレストランなどを禁煙にするというのはわかります。問題は小さな飲食店や居酒屋さんやバーのような処をどうするのかということです。分煙できるスペースやそれに予算をかけられる店ならば良いのですが、それが叶わない処はどう対応していくのか。自民党でも意見が二分しているのが現状です。
高木優一:
先生は、やはり医師の立場から禁煙推奨派ですか。
島村大:
いえ。煙草を吸う方を非難することはしません。現に私も以前は吸っていましたし。
肺がんのリスクは盛んに言われていますが、煙草だけを悪者にする風潮には賛成しかねます。確かにリスクは吸わないよりは高いでしょう。しかし、大気汚染だってそのリスクに加担していると考えられますし、他にも文明国ならではのリスク因子はあると思いますよ。アフリカなどの、大気汚染が無縁な土地で煙草を吸うよりも日本で煙草を吸う方が肺がんへの影響は大きいと思います。
高木優一:
歯科医療の点からはいかがでしょう。やはり、煙草は歯の健康によくない気がします。
島村大:
煙草を吸うと末梢血管が収縮してしまい、血液循環が悪くなります。そうすると、歯周病などが治りにくくなりますね。自然治癒能力が落ちるのです。
高木優一:
いまどき、飲食店などは全面禁煙にしてもそれほど集客に影響があるとも思えません。
島村大:
そうだと思います。海外でも、店を禁煙にしても売り上げに影響を与えないというデータもあります。
高木優一:
逆に、最近は、店に入って分煙していないとびっくりしますね。ランチタイムでも煙草オーケーの店は本当に珍しくなりました。
島村大:
昔ながらの中高年のサラリーマンなどを相手にしている喫茶店などはいまだに煙草を吸える場になっていますが、そのような店は少なくなってきていますので、いずれはどの店も店内は禁煙ということになっていくのではないでしょうか。
高木優一:
でも、あまり大きな声では言えませんが、煙草は税収の面では貢献しているのですよね。
島村大:
そうなんですよ。そこが悩ましいところではありますね。

photo by naokichi hasebe

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