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SPECIAL対談 関口隆司×高木優一
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教員の確保は難題

高木優一:
だんだん男子校、女子校が少なくなり共学が増えている印象です。
関口隆司:
そうなのですが、一時の共学ブームは過ぎ去った感はあります。ここ10年ぐらいの間に、非常な勢いで男子校・女子校が共学になりました。それでも、いまだに女子校は100校ぐらいあります。男子校は30数校ぐらいです。男子校を共学にして女子を入れても、人数が逆転するということはないのですが、女子校が共学になると、昔は男子校だったんじゃないのかと思うような現象が起きることもありますね。完全に男子の数が上回ってしまうのです。
高木優一:
へえ、そうなんですね。
関口隆司:
公立校の場合は役所主導で統廃合を進められますけれど、私立校はお互いが独立した会社のようなものですから、校風もかなり違いますし、合併とか統合が進むとはあまり考えられないですね。まあ、公立が統廃合を進めてくれれば、数字的には私立の方に流れてくるという期待が多少はあります。
高木優一:
公益法人ですから儲けを考えてはいけないのでしょうが、そうは言っても経営は安定させなければいけない。経営のご苦労として、教員の確保が挙げられると思うのですがいかがですか。
関口隆司:
確かに年々、特に理系の教員の確保は難しくなってきていますね。理科、数学の優秀な先生を探すのは本当に大変です。文系は大学在籍中に教員免許を取得すれば社会科の先生にはなれます。ところが、理科とか数学は、それなりの専門的な勉強をしないとなかなか教員免許は取れません。ところが、一生懸命勉強してそのような専門性を身に付けたら、学校の教員よりもっと給料がよくてステイタスを感じる企業に就職しますよ(笑)。
高木優一:
先生がお辞めになって欠員が出ると大変ですね。
関口隆司:
教員を派遣してくれる会社がありまして、そのルートで人を確保することはよくあります。
高木優一:
教員の派遣会社があるんですか。
関口隆司:
派遣会社を使うメリットは、来ていただいた先生がうまく機能しなかった場合、違う人に代わっていただくことができるからです。通常の採用パターンだと、入っていただいて当校に馴染めなくても、こちらから一方的にやめて欲しいとも言えませんから。派遣の場合、もちろん、その分お金もかかるのですが、採用のリスクも低減するんです。
高木優一:
これからの学校経営の難しさを実感させていただきました。本日はどうもありがとうございます。

photo by naokichi hasebe

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