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贈与税について質問です。

(東京都目黒区在住D様)
親から生前にお金をもらうと贈与税が掛かるというのは分かります。

しかしこれって税務署にどうやってばれるのでしょうか?

現金で渡せば分からない様にも思うのですが・・・。
相続税
小形聰税理士の回答

(GALAP税理士法人代表)

「現金で渡せば分からない」

確かにそうかもしれませんね。

少額の現金であれば、それを調査して判明させるのは相当困難でしょう。

さらに、税務署がその少額の現金贈与のために公費を使って調査するのは、いわゆるコスト倒れとなってしまうので実際に行われるのかどうかは疑問です。

ただ、皆さん見逃しがちなのですが、お金は「入り」もあれば「出」もある訳で、税務署は「入り」よりも「出」で贈与があったかどうかを確認する術を持っています。

例えば、不動産を取得した場合、税務署から「お尋ね」という文書が送付され、買った人の職業・年収やら、購入資金をどうやって用意したかなどを聞いてきます。

ここで嘘をつく訳にはいきませんから、黙ってもらっていた現金を購入資金に充てていた場合は、ここで税務署に分かってしまうことになります。

つまり、現金で渡した場合、「分からない」かもしれませんが、「使うこともできない」ということであり、こんな現金など、単なる紙切れと一緒だということです。

鼻をかむにも固いためティッシュペーパーよりも劣ります。

と、ここまでバレるかバレないかの議論で来ましたが、ここからは少し真面目な話。

税金の前身は年貢ですよね。

これは田畑の大きさにより納める米(租税)が決まり、農民(納税者)や稲の育ち具合(収益性)の状況など聞き入れてもらえず強制的に納めさせられるものでした。

あまりにも厳しい取立てにより、一揆などの争いが起こることもあったと歴史で習いました。

このことからもお分かりのように、以前は徴収する側が納める税金の大きさを決める税制度だったのです。

これが近代国家となり、年貢から税金へと変わり、納める金額は徴収する側ではなく、納める側が計算して行う方向(自主申告制度)に移ってきました。

これは世界の各国でも同じような流れがあり、先進国では自主申告制度へ移行しているケースが多いようです。

つまり、自主申告制度への移行は、一揆などの市民の血が流れた土台の上に出来上がった制度であり、我々納税者が勝ち取った権利であると言えます。

この重みを考えると、「言わなければ税金を払わないで済む」などという軽はずみなことは言えませんよね。

自主申告制度がうまく稼働しない国は、先進国として成り立たないことを意味してしまうという羞恥をまず感じるべきだろうと思います。
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