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現在生活保護を受けています。

(東京都足立区在住M様)
現在生活保護を受けています。

身体も弱く就職したくても中々雇ってくれるところもありません。

実は母も身体が悪く栃木で一人暮らしをしているのですが将来母が死んだ場合遺産相続として不動産(自宅)を私が受けることは出来るのでしょうか?

また受けた場合、生活保護の受給は打ち切りとなるのでしょうか?

生活保護が受け取れないと考えると相続する必要はないと考えていますが、もし生活保護下でも受け取れるのであれば売却して少しでも現金化したいと考えています。
的場 理依弁護士の回答

(弁護士法人ベリーベスト法律事務所)

生活保護を受給しているときに,相続等の事情で臨時の収入があると,生活保護が停止又は廃止される可能性があります。

生活保護の停止又は廃止は,生活保護法26条に基づくものであり,同条によって保護の停止又は廃止を行う場合の基準(昭和38年厚生省社会局保護課長通知)を簡単にまとめると,「生活保護世帯に臨時的な収入の増加があったとき,生活保護は,その臨時的な収入が生活保護費の6か月分以内である場合には停止,6か月分以上である場合には廃止される」こととなっています。

つまり,あなたが将来的に相続する遺産の価値が,受給している生活保護費の6か月分よりも少ない場合には,相続した遺産の価値によって生活保護費をまかなえる期間だけ生活保護が停止されます。

また,逆に,遺産の価値が生活保護の6ヶ月分よりも多い場合には,その遺産で当分は生活できるということですから,生活保護はいったん廃止されることとなります。

ところで,生活保護というのは,生活に困窮する人が利用しうる資産,能力その他あらゆるものを利用し,それでもなお不足する生活費について支払われるものです(他法優先・補充性の原則)。

よって,生活保護が打ち切られてしまうからといって相続を放棄することは,法の原則からすれば,許されないものと考えられます。

これらのことからすると,あなたの生活保護が打ち切られるか否かは,相続する遺産の実際の価値や,生活保護受給額によって変わってくることになります。

もっとも,上記はあくまでも原則的な運用基準ですので,相続が生じた時点で,担当のケースワーカーさんとよく相談なさることをおすすめします。
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