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遺産分割協議に関して分からないことがあるので教えてください。

(神奈川県川崎市多摩区在住J様)
2年前に父が亡くなりました。

相続人は母、長男、二男の3名ですが、二男には現在多額な借金がある為、名義を入れることにより母と私に迷惑をかける可能性があるので相続をしないことを二男に申し出ています(まだ二男は相続放棄はしていません)。

その上母も病弱な為、将来を考え登記は遺産分割協議書を作成して全ての土地、建物は長男である私が相続することがベストだと考えています。

この自宅に母の名義を入れておくと将来弟に相続権が発生するわけですから自宅が差し押さえられるのを未然に防ぎたいのです。

二男が事業で失敗し破産した場合、協議書にて相続財産がないとあれば債権者からの差し押さえ等の対象にはならないと当方は考えていますがこの考えで大丈夫でしょうか?
本間 正俊弁護士の回答

(多摩区役所前法律事務所代表)

自宅不動産についてお父様が亡くなった後もそのままにしてあるのであれば,登記名義はお父様のままでしょうけれども,現在の法律上の権利関係は法定相続分に従って母2分の1・長男4分の1・二男4分の1という割合での共有となっています。

そして弟さんが破産した場合,財産は裁判所を通じて債権者に分配されます。
また破産する前でも,借金を返すことができなければ財産は債権者によって差し押さえられる可能性があります。

いずれの場合でも,ご自宅との関係で問題になるの弟さんの財産は,4分の1の共有持分です。

既に亡くなって2年が経過しているのであれば相続放棄はできませんから,弟さんの共有持分が無い状況を作るには,遺産分割協議によることになります。

ただし,遺産分割協議書を作成するだけでは差押え等を免れることはできませんので,実印をついた遺産分割協議書を作成した上でそれを用いて法務局で手続を行い,登記名義を変更する必要があります。

ところで,遺産分割協議はあくまでも協議ですから,皆で話し合ってひとつの結論に到達しなければなりません。

その際,お母様と弟さんが「ご実家に関して何も相続しない」ということに納得されるかどうかが問題となります。

お母様としては,子ども達にずっと世話をしてもらえるなら構わないと考えるかもしれませんし,逆に名義を失えば追い出されるかもしれないと心配になるかもしれません。

弟さんとしては,せっかく手に入れた財産ですから,自らお金に買えて借金を返済したいと考えるかもしれません。

それぞれに思惑がありうるところですので,よくよく話し合う必要があります。

話し合いの結果,お母様は名義を残したいといって譲らないけれども弟さんは協力してもらえる,という場合について検討しましょう。

このままでは,お母様が亡くなった段階で弟さんと改めて遺産分割を行うことになります。

お母様が,「自分は名義を持ちたいが,借金の返済に充てるくらいなら弟さんには遺さない」とお考えなら,「長男に相続させる」旨の遺言を書いてもらう方法があります。

このときは公証役場で遺言公正証書を作成してもらうとよいでしょう。

これだけでは後に気が変わった弟さんに遺留分を主張される可能性は残りますので,併せて今の内に弟さんに家裁で遺留分放棄の手続をとってもらうとよいでしょう。

やはり弟さんも財産が欲しいとなった場合には,無理やり権利を放棄させることはできませんから,代価を支払う等して納得してもらうしかありません。

遺産分割未了のままで放置した場合,破産や差押えの心配もありますし,弟さんがみずから持分を売却してしまい赤の他人との共有になってしまう可能性もあります。

いったん話し合いがこじれてからでは解決の道は遠くなります。

そうなる前に弁護士にご相談いただき,お母様や弟さんの意向も確認しながら,うまく交渉していくことをお勧めいたします。
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